問題はバリア機能が低下していること

hiaruron

角質層のもう一つの大きな役割は、皮膚のバリア機能を担っていることです。

皮膚は外界の物理的・化学的刺激からからだを守る防御壁です。

そのなかでもいちばん外側にある角質層は、水分はもちろんのこと、化学物質や大気汚染物質、病原菌、ほこり、ゴミなど、からだに害を及ぼす異物が体内に侵入しないようにシャットアウトしてくれます。

これが、皮膚のバリア機能です。

バリア機能は、先ほどの保湿能と同じく細胞間脂質によって守られています。すなわち、角質細胞が細胞間脂質によってきれいに川をなして並んでいれば、バリアはきちんと機能して刺激物やアレルゲンの侵入を防いでくれますが、ヒアルロン酸やセラミドの減少によってこの層が崩れると、それらの異物が自由に入ってきてしまうのです。バリア機能は、イコール保湿能でもあるのです。

それは、例えて言えば地球を覆っているオゾン層のようなものです。地球に届く紫外線は年々増加していますが、これはオゾン層が希薄になっているためです。そのため、オゾン層の隙間から大量の紫外線が地球に降り注いでくるのです。細胞間脂質は、このオゾン層と同じ役割を果たしているのです。

ヒアルロン酸やセラミドの足りない細胞間脂質は穴だらけで、そこをすり抜けていろいろな物質が入ってきます。もちろんアレルゲンも侵入しやすく、アレルゲンが皮膚に接触すると表皮からサイトカインが出て、それがラングルハンス細胞やマクロファージを活性化し、一連のアレルギー反応を引き起こします。

アレルゲンの侵入が増えれば増えるほど、反応が活発になることはいうまでもありません。

さらに悪いことに、アレルゲン以外のものも侵入しやすくなったり、ちょっとした刺激に敏感になったりします。その刺激によって免疫細胞が刺激され、アレルギーと同じ反応をからだの中で起こしてしまうのです。これでかゆみや炎症が起きる頻度は、格段に高くなります。

アトピーの患者さんを見ていると、刺激に対する閾値が低く、非常に敏感です。ちょっとした刺激で、すぐに反応を起こしてしまいます。それは、このようにバリア機能が低下しているからにほかなりません。

最近の研究では、かゆみを感じる神経の長さや分布が、刺激を繰り返すことによって変化することが分かってきました。頻繁に刺激を受けることで、真皮と表皮の境目にあった神経が表面の方へ分布を変化させてきます。このためさらに刺激に敏感になってしまうのです。

このバリア機能の低下は、ほかのアレルギー疾患でも見られます。たとえばここ10年くらいの問に急増した花粉症は、鼻の粘膜にあるバリア機能が低下してアレルゲンと接触しやすくなったために起きていると思われます。

また気管支喘息も、のどの粘膜のバリア障害と無関係ではなく、気管支喘息のことを気道粘膜の炎症だという専門医もいるほどです。

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