アトピーを悪化させるストレス

hiaruron

最近のアトピーの特徴は、ストレスが大きく関与していることです。

アトピーの治療に当たっている人ならだれでも感じていることでしょうが、アトピーはストレスがあると確実に悪化します。

たとえば試験前になると症状が一気に出て、試験が終わるとスッとひいていく。精神的なストレスが症状の消長を左右するケースに、私もしばしば出会ってきました。

「心因性アトピー」という言葉も聞きますが、アトピー患者は心の病気を抱えていることも多く、それが治療をいっそう複雑にしています。

アトピーの患者さんは、ストレスがあると刺激に対して非常に敏感になります。健康な人なら1くらいにしか感じない刺激を、10くらいに感じてしまうのです。

そこで、ちょっとした刺激でもすぐに掻くようになり、しょっちゅう肌を掻きむしっています。

さらに問題なのは、そのリアクションの大きさです。普通の人ならこするくらいの刺激で十分なかゆみを、必要以上に掻いてしまいます。それは掻くというような生やさしいものではなく、えぐるように掻きむしります。

アトピーで白内障や網膜症のような目の疾患を併発するのも、その一因は顔面、とくに目のまわりをパンパンだたくからです。網膜剥離を起こすくらい激しくたたくのです。

ちょっとした刺激に対して必要以上に掻きむしれば、皮膚の構造が壊れてさらに刺激に弱くなっていきます。掻き壊した肌が二次感染しやすいのも、皮膚が雑菌を防御できなくなっているからです。

しかしアトピーの患者さんの掻くという行為は、かゆみとは別のところで行われているようです。本当にかゆいと感じているから掻くのではなく、高まったストレスを解消する代償行為として行われていることのほうが多いようです。

私の経験では、こういう現象は勉強やスポーツのよくできる子どもや、周囲からよい子と思われている子どもに頻繁に見られます。「よい成績を上げなければいけない」「よい子でいつづけなければならない」というプレッシャーが、掻くという行動に走らせているのです。

それは、自分を傷つけることでプレッシャーから解放されようとする一種の自虐行為なのかもしれません。

最近では、アトピーの治療にヒアルロン酸ジェルだけでなく心理療法を用いる医療機関が増えてきました。患者さんの話をよく聞いて、心理的な面からサポートしていくのです。私は精神科医でもカウンセラーでもありませんが、患者さんの相談には時間をかけて耳を傾けることにしています。患者さんの心と向き合い、アトピーの悩みやつらさを少しでも理解しようとすると、患者さんの治療効果も向上してきます。

今の子どもたちは、いじめの問題、受験、友だちとの関係、母親との葛藤など、いろいろなストレスを抱えています。こうしたことが、アトピーの治療を今まで以上にむずかしくしているのではないでしょうか。

管理人

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