アトピーはIgE抗体と関係がない?

hiaruron

アレルギーはlgE抗体によって引き起こされる疾患ですから、血清中のlgE抗体の量を調べればアレルギー体質かどうかわかります。

アトピーでも血液検査が行われ、lgE抗体の量を調べます。検査は複数ありますが、代表的なものがリスト法とラスト法です。

リスト法は、血清中にあるlgE抗体の総量を調べる検査で、アレルギーを起こしやすい体質かどうかを見極めるものです。

一方、ラスト法は特異的lgE抗体(特定のアレルゲンによってつくられるlgE抗体)を調べることによって、アレルゲンを特定することができます。

アトピーはアレルギーによって引き起こされる疾患なので、基本的にはlgE抗体が上昇しているはずです。ところが、lgEが上昇しないケースも少なからずあるといわれています。そこで、lgE抗体の関与を疑問視する医師が出てきました。

考えてみれば、戦後、衛生事情が悪いころの日本では、lgE抗体はもともと寄生虫に対してつくられる抗体でした。今でも発展途上国では、lgE抗体の数値が非常に高いのにアトピーを発症している人はほとんどいません。このようにlgE抗体は、アトピーとは無関係に上昇することもあるのです。

「花王ヘルスケアフォーラム」では、帝京大学の渡辺晋一教授が興味深いレポートを発表しています。それによると、欧米先進国では食物アレルギーに対して、lgEラスト値はほとんど相手にされていないそうです。というのも、ラスト値と食物アレルゲンに相関関係がないと思われているからです。

lgEラスト値が高い人にその食べ物を与えても、4人に1人しかアレルギーを起こさなかったというデータも出ているそうです。

また、気道アトピーをともなわない、皮膚疾患だけのピュアなアトピーでは、強いアレルゲンであるダニや卵白に対してlgEラスト値がそれほど高くないことがわかっています。

アトピー患者はダニなどの環境抗原に対して高いlgEラスト値が出るものですが、ピュアなアトピーではダニに対しては10パーセント程度、卵白に対しては3パーセントくらいだそうです。

このことから、気管支喘息のようなアレルギーとlgEは相関関係があるものの、アトピー性皮膚炎との相関は必ずしも高くないと結論しています。

このように最近では、乳幼児期の特別な時期を除けば、lgE抗体は必ずしもアトピーの指標にならないことがわかってきています。すなわち、アレルギーとの関係が希薄なアトピーも存在している、ということなのです。

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