アトピーの真の原因は?

hiaruron

今、アトピーの定義がゆらぎかけています。もちろん従来から言われているように、アトピー素因という要因は無視できません。

しかし体質だけの問題で、こんなにもアトピーが増えるでしょうか。

患者さんを診ていると、みんながみんなアレルギーの体質を持っているわけではなく、実際に患者さんから話を聞くと、家族にアトピーやアレルギー患者がいる割合は、全体の6割くらいです。体質の関与が前提である疾患にしては、決して高い数字ではありません。体質よりも、もっと別の大きな要因がありそうです。

私は、アトピーがなぜ起きるのだろうかという原点に再び立ち返って、もう一度原因を考えてみました。

アレルギーは、アレルゲンとなるほこりやダニが皮膚に接触して起こります。表皮には免疫を担当するラングルハンス細胞などが待ち受けていますが、そのラングルハンス細胞と接触しないとアレルギーは起こりません。アトピーの患者さんは、それがきわめて接触しやすい状態になっています。

健康な肌なら、本来、ダニやほこりは皮膚の表面ではねつけられて、簡単には侵入できないようになっています。

ところがアトピーの肌は、あまりにも簡単にそれらを通過させてしまうのです。これは体質ではなく、皮膚自体の問題ではないでしょうか。皮膚を防御するバリア機能が低下しているから、アレルゲンと接触しやすいのです。

このように防御能が低下した肌は、アレルゲンだけでなくあらゆるものの刺激を受けやすくなります。ものに触れたり、気温が高かったり、冷たい風に当たっただけでかゆくなったり、湿疹ができてしまいます。つまり皮膚のバリア機能の低下が原因で、さまざまな外的刺激によってアトピーの症状が引き起こされていると考えたほうが、自然のような気がします。

アレルギー的側面とは別に、この皮膚のバリア機能の低下がアトピーの発症に拍車をかけているのです。

これを漢方の考え方に照らし合わせると、わかりやすいかもしれません。

漢方には、「内傷なくして外感なし」という言葉があります。これは内側に原因がなければ、病気は起こらないという考え方で、同じような言葉に「皮膚は内臓の鏡」という言い方もあります。

アトピーはまさに、この「内傷なくして外感なし」ではないでしょうか。皮膚のバリア機能の低下という内傷があるからこそ、外からアレルゲンが入り、アトピーという外患が引き起こされているのです。

私には、体質という先天的な要因よりも、皮膚の劣化、つまりバリア機能の低下という後天的な要素によって、アトピーがこれだけ急増し、しかも難治化しているのではないかと思われて仕方ありません。

管理人

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