アトピーとはどんな病気?

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かゆい、湿疹が出る、ジュクジュクする、粉がふく、皮膚が剥落する、乾燥してざらざらする、皮膚が厚くなる、耳が切れる、腫れて赤くなる、色素沈着する・・・アトピー性皮膚炎の症状を思いつくままにあげてみました。さまざまな症状があります。

ひどくなると特有の顔貌になったり、カンジダ皮膚炎やカポジー水痘様発疹症、さらには白内障、網膜剥離といった、およそ皮膚とは関係ないような合併症を引き起こすことがあります。

表に現れているのは皮膚症状なのに、ただの皮膚病ではない。それが、アトピーを複雑な病気にしています。

アトピー性皮膚炎は、1933年にアメリカの皮膚科医サルツバーカーによってこの名前がつけられてから70年も経つのに、病気の原因はいまだにはっきりしていないのが実情です。

皮膚科では皮膚疾患だといい、小児科ではアレルギーだといって治療が異なり、患者さんはその間を右往左往してきました。私も10年以上この病気とつきあいながら、今だにこの病気の複雑さに戸惑うことがあります。

アトピーとはギリシャ語で「奇妙な」という意味だそうですが、その名前のとおり奇妙な病気です。

日本皮膚科学会は、アトピーに対する診断や治療法を統一するために、2001年に「アトピー性皮膚炎治療ガイドライン」を作りました。その中でアトピー性皮膚炎を次のように定義しています。

「アトピー性皮膚炎は憎悪、寛解をくり返す、掻滓のある湿疹を主病変とする疾患であり、患者の多くはアトピー素因を持つ」

このなかに書かれているアトピー素因とは、二つあります。一つは、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、結膜炎、アトピー性皮膚炎のうちのいずれか、あるいは複数の疾患を本人か家族が持っていること。もう一つは、lgE抗体を産生しやすいことです。lgE抗体についてはあとで説明しますが、どちらも体質に関わることで、遺伝的要因が背景にあることを指摘しています。

したがって、アトピー患者のいる家庭は、親や兄弟にアトピーやほかのアレルギー性疾患を持っているケースが多いといわれています。ところが最近の傾向は、必ずしもそうとはいえません。

「これまでアレルギーになったことがないし、両親も兄弟もアトピーではないのに、なぜ私だけ。」という人が多くなってきました。遺伝と思われるケースより、遺伝が関係しないケースのほうが増えているのです。

アトピーの場合、ほかのアレルギー性疾患と異なるのは、アレルギーという体質的な側面を持ちながら、皮膚疾患という非アレルギー的側面が同居していることです。このことが、アトピーの治療を複雑にしているように思えてなりません。

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